今回は、私自身が国立の理系大学院(修士課程:2年)を経験して
分かったメリット・デメリットについてご説明していきます。
進学する大学院によって環境は異なりますが、
大学院への進学で悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
私が所属した大学院の説明
まずは簡単に、私が所属していた大学院(修士課程)および
研究室についてご説明します。
研究室では毎日(授業が無い日は7~8時間)大腸菌の遺伝子組換えなど、
とにかく実験ざんまい日々を過ごしていました。
大学院にいる時間のうちほとんど(8割~9割)は、研究室にいる時間でした。
授業は、大学同様にありましたが、
大学4年(学士)で卒業に必要な単位は約130単位程度に比べて、
大学院2年(修士)では卒業に必要な単位はわずか30単位ほどでした。
大学院だと専門分野の授業ばかりのイメージをもつ方もいるかもですが、
必修の授業では英会話や時事問題のディベート(当時だと原発等)など、
基礎的な授業が多かったです。
選択授業では専門分野の授業もありましたが、
自身が専攻している分野の授業を取得せずに
卒業に必要な単位を取りきることも可能でした。
理系大学院(修士課程)のメリット
理系大学院生になるメリットを4つご紹介します。
①就活に役立つ授業が意外と多い
大学院の授業は座学だけでなくディベートを行う授業もあります。
ディベートとは、ある主題に対して異なる立場に分かれて討論することです。
ディベートを行うメンバーと意見を交えることで、
より社会的なコミュニケーション能力が身につきます。
②就活までの時間の余裕
大学院(修士課程)に進学した場合、
4年生大学と比較して就活のスタートまで2年猶予が与えられるため、
余裕をもって企業を選択することができます。
空き時間を、
好きなバイト、好きな勉強などに活用することで、
将来の選択肢を増やすことができます。
私の場合は、空き時間で専門外であるマクロ経済学や、
IT資格の勉強をして、自分の将来への視野を拡張することができました。
③初任給・生涯賃金が高い
上場企業もしくはある程度の規模の中小企業であれば
大学院卒は大学卒業と比べて高い初任給が提示されている
ことがほとんどです。
よって生涯賃金も大学卒業より高くなります。
④専門的な知識・スキルが身につく
言わずもがなですが、大学院での実験といった研究を
通して、専門的な知識・スキルが身につきます。
専門的な知識を深めることで、将来の仕事や生活に
役立てることができます。
理系大学院(修士課程)のデメリット
理系大学院生になるデメリットを4つご紹介します。
①お金がかかる
大学院に進学するぶん、お金はかかります。
基本的には、大学の入学金・授業料と同じです。
私の場合、国立であったため、入学金が約30万円で、
授業料が年間約50万円でした。
ちなみに、自分がが在籍していた大学と同じ大学院に
進学するにしても、入学金は必要です。
大学と同様、奨学金を借りることもできますが、
奨学金は借金同然のため、お金がかかることに変わりはありません。
②大学卒より生涯賃金が低くなる場合がある
修士課程(2年)を過ごすと、
4年生大学を卒業して就職した人とは2年、社会へ出る期間が
遅れることになります。
大学院卒の給料が提示されていない企業に就職した場合は、
仮に定年まで同じ企業にいるとすると、
生涯賃金は4年制大学卒業よりも少なくなります。
③修士論文は卒業論文に比べて高負担
一般的に、修士論文は卒業論文の
発表時間の倍以上の内容を必要とします。
計画的に作成すれば研究室のコアタイム内に
完成させることはできますが、
私の場合は、直前では研修室に数日泊まり込んで
修士論文を完成させました。
④卒業するまで人間関係が固定される
所属していた大学と同じ大学院に進学した場合、
3年から4年は同じ研究室のメンバーや教授、准教授と
コミュニケーションをとっていく必要があります。
まとめ
大学院への進学は、給与水準の高い企業に就職するための
スキルが身につけたり、将来への視野を広げたりすることができます。
一方で、社会に出遅れたり、研究に明け暮れるといった
苦労もあります。
専門的なスキルを身に付けて規模の大きい企業に就職したい方や、
まだ将来どういう仕事を生業にするか迷っている方には、
大学院への進学をおすすめします。
私が大学院へ進学した理由は後者でしたが、
大学院を通して将来への視野(選択肢)を広げる
ことができ、大学院に進学してよかったと考えています。
この記事をとおして、大学院進学への意識のギャップを
少しでも埋めていただくことができれば幸いです。