経済

【今さら聞けない】仮想通貨(暗号資産)とは?メリットとデメリットもまとめてみた

ビットコインやイーサリアム、リップルなど、多くの仮想通貨(暗号資産)を耳にすることが増えてきましたね。

今回は、そもそも仮想通貨(暗号資産)とは一体何なのか、仮想通貨のメリットとデメリットは何なのか、ご説明していきます。

※2020年5月1日に施行された改正資金決済法により、「仮想通貨」「暗号資産」に名称が変更されましたが、馴染みのある「仮想通貨」の名称を使用してご説明していきます。

仮想通貨とは

仮想通貨を一言でいうと、「電子データのみで取引される通貨」です。

仮想通貨について詳しくご説明していきます。
仮想通貨には、大きく3つの特徴があります。

特徴①実体がない

仮想通貨には実体がありません。

仮想通貨は、インターネット上で、電子データのみでやり取りされる通貨です。
そのため、紙幣や硬貨(1万円札や100円玉など)のような目に見える形を持ちません。

特徴②常に価格が変動している

仮想通貨は、常に価格が変動しています。
仮想通貨は取引所を介して、売り手と買い手の希望価格が合致したときに取引価格(時価)が決定して取引(お金との交換)が行われています。
下の図参照
価格が高いと思われるほど売り手の人数は増えて、買い手の人数は減ります。
価格が低いと思われるほど売り手の人数は減って、買い手の人数は増えます。

売り手と買い手の心理(リアルタイムの需要と供給)で価格が変動するのは、株式取引と共通していますね。

また、利益のしくみも、株式と共通しているところがあります。

例えば、10万円で買った仮想通貨が50万円の買い手がつくまで高騰した場合、そのタイミングで保有している仮想通貨を売却すれば40万円の利益が発生します。
仮想通貨が流行っているのは、こういった「キャピタルゲイン(購入時との差額で発生する儲け)」を狙う人が増えていることも一因でしょう。

特徴③中央銀行が存在しない


仮想通貨には中央銀行が存在しません。

中央銀行とは、通貨を発行したり、通貨の価値を保証する機関のことであり、日本でいうところの日本銀行が中央銀行に該当します。

仮想通貨は発行枚数の上限が最初から設定されており、世界中にある専用のコンピュータによって発行されています。

価値を保障する機関がないなら、価値が改ざんされ放題じゃないか」と思われるかもしれませんが、仮想通貨は、ブロックチェーンというしくみで価値が保障されています。

ここではブロックチェーンについて詳細には触れませんが、簡単に言えば、仮想通貨を発行している世界中のコンピュータ同士がお互いに(不正をしていないか)監視して、仮想通貨の価値を保っているしくみです。
人間に例えると、みんなが警察官になってお互いを監視して、誰も犯罪を起こせないようにしているようなイメージです。

仮想通貨のメリット

24時間365日取引が可能

仮想通貨は24時間365日取引することができます。
東京証券取引所での株式取引だと、平日の9時~11時30分、12時30分~15時しか取引(売買)することができません。

対して仮想通貨は、好きなタイミングで取引することができます。
深夜であろうが、土日であろうが、関係なく取引できるのは仮想通貨の強みでしょう。

国際送金が簡単で低コスト

仮想通貨は国際送金が簡単かつ、手数料も数百円と低コストです。

通常、海外の口座へ送金するには手数料が数万円とられることも少なくありません。

日本円をドル以外で国際送金する場合、まず日本円を基軸通貨であるドルに換金してから、送金先の国の通貨に換金しなければなりません。
当然、多くの銀行を経由し、結果として割高な手数料が発生するというわけです。

仮想通貨を海外へ送金する場合だと、銀行は経由されません。
仮想通貨は、1つの仮想通貨取引所で海外への送金が可能ですので、国際送金が簡単かつ手数料が安価なのです。

仮想通貨のデメリット

取引価格が無制限に変動する

仮想通貨には取引価格の値動き制限が存在しません。

日本株式だと、適正な株価を形成するため、一日の値幅(価格の変動)の上限と下限が決められています。
(この上限・下限は、通称ストップ高・ストップ安と呼ばれています)

しかし、仮想通貨は、主に売り手と買い手の心理(たくさん買おう、今は売ろう、など)で価格が際限なく変動してしまうのです。

仮想通貨は売買取引で一攫千金が狙える反面、大きな損失を被る危険をはらんでいます。

システムトラブルによる紛失

仮想通貨は、取引所の管理システムのハッキングといったトラブルで紛失(流出)する可能性があります。
いくら通貨に実体がなくとも、現金と同様に「盗まれる可能性がある」ということです。

ただし、2020年5月1日に施行された改正資金決済法により、仮想通貨交換事業者(いわゆる取引所)への規制が強まり、仮想通貨の安全性は以前より高まっています。

まとめ

仮想通貨は、電子データのみで取引される実体のない通貨です。
仮想通貨は、年中無休で取引できたり、国際送金が簡単にできる一方で、価格が無制限に変動したり流出の危険性といったデメリットがあります。

余談ですが、仮想通貨は、2008年に「Satoshi Nakamoto(サトシ ナカモト)」という人物がインターネットで発表した論文をもとに誕生しています。

仮想通貨は歴史が浅く、いまだに資産としては不安定な通貨です。
しかし、将来は法による規制がさらに展開され、仮想通貨による資産形成が普及していくと考えられます。

この記事を通して、少しでも仮想通貨(暗号資産)への理解のお役に立てれば幸いです。