社会問題

【2020年】コロナ禍で「カエル化した日本人」

今回は、2020年、日本で起こっているコロナ禍で「カエル化した日本人」というテーマでお話していきます。

コロナ禍で「カエル化した日本人」

コロナ禍を振り返る

まずは日本のコロナ禍について振り返っていきます。

日本では、2020年4月、新型コロナウイルス感染拡大の第1波により、全国では1日で最高500人以上の感染者が確認されました。
この報道を受けて、大半の人たちは、「1日で500人も感染したのか」と恐怖したのではないでしょうか。
日に日に報道される感染者数は高い水準を維持しており、恐怖はさらに煽られます。

そして政府は、2020年4月5日から5月25日まで、緊急事態宣言を発出し、日本国民のコロナ恐怖はピークに達しました。
大手企業を中心に、あらゆる会社では早急にテレワークが導入され、商業施設は営業時間を短縮し、人々は外出を自粛しました。
ほどなくして2020年5月末、メディアの報道力や、真面目な日本人の気質もあってか、第1波は収束したのです。

しかし、2020年7月から8月にかけてコロナ第2波が拡大します。
8月には第1波の3倍近くである「全国で1日1500人超」の感染者が報じられました。
といっても、第2波は緊急事態宣言が無くとも自粛ムードによって9月中旬に収束していきます。

「カエル化」した日本人


第2波が収束したころ、人々はこう考えるようになったのではないでしょうか。
毎日1000人、1500人だの報道しているが、自分や自分の周りの人は感染していない。
ひょっとして、この数字って大したこと無いんじゃないのか?」と。

つまり、第2波収束の2020年9月中旬から、人々には報道による恐怖(自粛ムードの発信)が効かなくなってきたわけです。
連日報道を受けていると、感染者数など、あまり気にも留めなくなります。
もちろん、医療従事者や実際にコロナ感染した方、その関係者の方達は、意識が違うでしょうが、それは国民の分母から考えるとごく少数の話です。

そして2020年12月現在、2020年11月から継続している第3波は、メディアが「過去最大感染者数」や「変異型感染」など、いくら報道を加熱しても、コロナ報道に耐性もった今の大半の日本人の心には何も響いていないでしょう。

それが例え、1日2000人、3000人超の感染者数であったり、感染力の高い変異型のコロナウイルスだったとしても。

唐突ですが、アメリカの精神医学者、グレゴリー・ベイトソンの「茹でガエル」の話をします。
カエルを熱湯の中に入れると、カエルは驚いて飛び出します。
一方、カエルを水に入れて徐々に熱すると、カエルは命の危機に気付かないまま、ゆであがって死んでしまいます。
徐々な環境変化は、それが命の危機であったとしても、当人は気付かないのです。

この「茹でガエル」の話は、報道されている内容が危機的になってきても気に留めなくなった人々に酷似していますよね。
今まさに、日本人の大半は「カエル化」しているのです。(正直、私も含まれます)

メディアでの報道が効かなくなった今、政府や自治体による警戒レベルの引き上げなど、政治的な”勧告“も効きようがありません。
すべてが、焼け石に水になっているのです。
ただ、緊急事態宣言などの政治的な”強制”であれば、「カエル化した日本人」をお湯の外へ飛び出させることができるかもしれません。

まとめ

日本がコロナ禍に陥った当初は、テレワークの普及や通販利用の拡大によって、感染抑制・IT発達が実現されました。
しかし、現在はどうでしょう。
感染抑制については実現していません。

連日の報道に慣れた人々にとって、コロナへの危機意識はあって無いようなものです。

また、人間には我慢の限度があることも感染抑制されない一因でしょう。
人類史上、人が住まいに1年も2年も引き籠り続ける生活様式などありもしなかったのですから。
仮に引き籠りを極めれば、自律神経の調整やビタミンDの生成、ストレス発散など、体調面での課題が出てきます。
(特に日差しが入らない住居だと厳しいところでしょう)

政府や自治体が頼りない今、何も文句は言わず、情報を集め、集めた情報を活かし、今を生きる。
そうして、「あの時は大変だったなあ」と思い出話にできる日が来るのではないでしょうか。

最後になりますが、医療従事者や配達員など、感染リスクを負いながらも現場に立って、人々の命やライフライン維持に貢献している方は大勢います。
本当に、現場で働く方々への感謝の気持ちは、忘れてはなりません。

この記事をとおして、少しでも、コロナ禍の現状を把握するためのお役に立てれば幸いです。