2020年3月末に、「4月1日に日本でロックダウン(首都封鎖)が発動する」
という情報がチェーンメールやSNSで拡散されました。
上記の「4月1日、日本でロックダウン発動」はデマ情報でしたが、
日本は今、ロックダウンがいつ発動されてもおかしくない状況にあります。
今回は、日本でロックダウンが発動された場合、
どのような影響があるのか、死者数の観点からご説明していきます。
日本でロックダウンした場合、死者数は増加する
日本でロックダウン(首都封鎖)が発動した場合、
死者数がさらに増加していく危険性が高まります。
新型コロナウイルスの影響で人が命を落とすケースは
大きく2つに分けられます。
①新型コロナウイルスの感染(直接的な要因)
②新型コロナウイルスの影響による失業での自殺(間接的な要因)
①は言わずもがなで、新型コロナウイルスの感染し、
ウイルスの病状で人が命をしまうケースです。
②は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響(例:客の減少)で
失業し、自殺によって命を落としてしまうケースです。
ロックダウンが発動すると、①のケースが減少する代わりに、
②のケースが増加する確率が高くなります。
下の図に示すように、失業率と自殺者の数には相関関係がある
ことが証明されています。
参考:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/01/post-11515.php
失業率・・・働ける人口のうち、仕事に就けていない人の割合。
総務省統計局によると、2020年2月時点で、
日本の失業率は2.4%(失業者数159万人)となっている。
失業率が1%増加すると年間約3000人の自殺者が増える傾向にあります。
つまり、このまま日本でロックダウンが発動した場合、
<失業率の増加→自殺者の増加>により、
「新型コロナウイルスの感染から守った命」より
さらに多くの命が失われるリスクがあります。
ロックダウンの前には、経済的な調整(例:イベント開催の人数限度設定)
といった、より多くの命を守る基準設定が必要です。
ロックダウンは必要?イタリアの600症例から考える
ロックダウンを検討する前に、
新型コロナウイルスの感染では
「どんな人が命を落としてしまうのか」
という情報を知っておく必要があります。
イタリアの新型コロナウイルス感染600症例を見ると、
コロナで亡くなった死者数のうち、94%は60歳以上でした。
(参考:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200316/k10012333151000.html)
また、40歳以下で基礎疾患がない人に死者は確認されませんでした。
(参考:https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-03-18/99-of-those-who-died-from-virus-had-other-illness-italy-says)
つまり、新型コロナウイルスの感染による死亡リスクは以下となります。
若く健康な人 ・・・死亡リスクは低い
年配の人、基礎疾患のある人 ・・・死亡リスクは高い
ロックダウンをむやみに発動するよりも、
高齢者や基礎疾患のある人、
または高齢者や基礎疾患のある人と同居する人への
外出自粛を強めることで、
新型コロナウイルス感染による死亡リスクを
大きく低下させられることが分かります。
まとめ
新型コロナウイルスの感染拡大では、
・感染によって命を落とす人
だけでなく、
・コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、
失業→自殺により命を落とす人
もしっかりと考える必要があります。
仮にロックダウンを発動するとすれば、
その前に、
・どんな人の外出を制限するのか
(例:何歳以上、基礎疾患の種類)
・どんな経済活動を制限するのか
(例:イベント開催の最大人数、場所)
といった明確な基準をつくる必要があります。
この記事をとおして、少しでもロックダウンの影響と
ロックダウンの前に考えることを知っていただけると幸いです。